先日、お客様にお届けしたバスケットのご紹介です。

お客さはま、以前イタリアンジェリーのKIARITAさんと一緒に行った催事でバスケットを購入いただいた方でした。

ご購入いただいてから10年経つことに驚きましたが、ずっとバスケットをご愛用いただいていることを聞いて何よりも嬉しく感じました。

その時ご購入いただいたバスケットは、６インチオペラの蓋つきでした。

オペラは楕円形の細長くてやや高さのあるバスケットで、オープンバスケットが多く、蓋つきはあまり作られることがありません。

どうして蓋つきがあまりないのかな～と考えたら、この楕円形に似合う飾りを選びが難しいからなのかも。

後にも先にも、私が製作したオペラ蓋付きもこの時だけですから、私にとっても貴重なバスケットでした。

現在、バスケットは妹さんがお使いとのことで、今回はご自分用に少し高さを抑えたバスケットの製作依頼でした。

ご予算といくつかのサイズから提案し、選ばれたのが「６インチラウンドの蓋つき」です。

横の長さはオペラの出来上がりサイズの６インチ（約１６cm）と変わらないのですが、

ラウンドの方がマチがあるので、高さを型ギリギリに編んだとしても、収納量は通常の高さに編んだオペラよりもあるのかもしれません。

オペラの蓋つきには、日本人が彫刻したお花のデザインの飾りをつけていましたが、

今回もお花のリクエストがあり、百合のデザインの飾りをつけることになりました。

貝、クジラ、ヨットなどのモチーフは可愛らしすぎるので、少し落ち着いたお花の方が好みだったようです。

蓋つきは飾りと蓋とのバランスも大事だと思っています。

６インチラウンドの蓋になる木の面積はオペラよりも大きいので、それなりに大きい飾りをつけた方がバランスが良く、

また、丸い形のバスケットの場合、飾りに曲線の入ったデザイン（例えばお花が丸い形）の方が合っていると思います。

この百合のデザインも日本人が彫ったものなので、花びらの形が上品に作られていて、

飾りには程よい厚みがあるので、飾りの存在感もあり、このバスケットにはピッタリです。

私はバスケットに合わせるハンドルにこだわりがあって、結構厳しく選別しています。

作るバスケットに合わせて、素材はもちろん、ハンドルの幅だけでなく、ハンドルの厚さ、幅広など、事細かく材料屋さんに注文するので、

ハンドルが届くまでどうしても時間がかかってしまいます。

最近は、材料屋さんに注文する際に、ハンドル穴を無用！、ハンドルの端はデザインなし！とお願いして、

自分で高さなどを調整するようにしたので時短にはなりましたが、、、。

それでも、今回は、お客様が早めの納品を希望されていたので、材料屋さんにオーダーすると間に合わず、自分で作ることになりました。

普通のハンドルは過去に何度か作っていましたが、今回は持ち手にデザインのあるマーティンブラウンスタイルです。

このマーティンブラウンを作る場合、ある程度の厚みがないと、くぼみが作れないから、手間はかかるし、

普通のハンドルよりもお値段が高くなるのには納得。

自分でハンドルを作るのとハンドルの厚みと長さをカスタマイズできるのですが、

木を製材したり、煮たり、曲げて乾かし、サンディングの調整など時間がかかるので、

時間に余裕があれば、材料屋さんにオーダーするのが一番ではあります。

幸い、木のチョイスがよかったのか、うまく木を曲げることもできて、くぼみも均等に削れて、

我ながら、上出来のハンドル。もしかすると、材料屋さんより上手かもと自画自賛です。

蓋の前の留め金をボーン素材と編みとハーフ＆ハーフにして、スッキリしたバスケットに仕上がりました。

無事に商品がお客様の手元に届いたようです。

この先10年と言わず、末長く愛用いただければ幸いです。

Iさま、どうもありがとうございました。

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