2025/05/06 00:49


今年の春、楕円形の入れ子「Trio」バスケットを制作しました。

2009年に作ったラウンド型の「Trio」に続くプロジェクトです。Trioのバスケットの底には、イタリア旅行で購入したベネチアガラスのビーズを埋め込みました。ガラス越しに透けて見える色がとても美しく、光を通すたびに印象が変わる繊細な輝きが魅力でした。

同じような入れ子で楕円形は作ろうかなと始めたプロジェクト。その始まりは、メキシコ旅行で出会った素敵な陶器のボタンからでした。


メキシコにはいくつかの伝統的な陶器がありますが、今回の旅で出会ったのは「セルビン焼き」。

私が訪れたのは、メキシコシティからバスで約4時間、グアナファト州の小さな街・サン・ミゲル・デ・アジェンデ。そこにある「Azul Cobalto」というお店では、陶芸家ハビエル・セルビン(JAVIER SERVIN)氏によるセルビン焼が取り扱われています。お皿や花瓶など、魅力的な作品が数多く並ぶ中、割れる心配がなく、バスケットにも活かせそうなものを探していたところで出会ったのが、陶器のボタンでした。


陶器のボタンは一つ一つが手作業で作られていて、同じものは二つとなく、シンプルな中に繊細な模様と、どこか「ありそうでない」絶妙な色の組み合わせが印象的でした。補色同士を組み合わせてもぶつかり合わず、メキシコらしい鮮やかさと調和の取れた色彩は、まさに職人技。数ある中から、バスケットの底に埋め込むことを想定して、サイズ違いで数個選びました。


一番小さいサイズのバスケットに使おうと思ったボタンは、やや大きく感じられたため、底に収めた際に違和感のないよう、周囲に白い縁取りを加えて仕上げました。この白がボタンの色を引き立て、結果としてとてもバランスの良い見た目に。


今回は、以前のラウンド型とは異なり、楕円形のバスケットで入れ子(Trio)を作りたいと思い立ち、イースターに間に合うように1月から制作を始めました。ただ、手元にあったのは一番小さいサイズ(約2インチ=5cm)と一番大きいサイズ(約4インチ)の型だけで、中間サイズがありませんでした。そのため、定規とコンパスを使って型紙から自作し、サイズを割り出す作業からスタート。この工程は、動画としてインスタグラムにも投稿しました。



また、バスケットに欠かせないハンドルと、それを取り付ける「耳(ear)」の部分も、サイズごとにひとつひとつ手作業で作りました。特に楕円形は形のバランスが難しく、全体のフォルムに合うように調整しながらの制作は、時間はかかりましたがとても充実した作業でした。


完成したバスケットには、イースターの飾りとして卵やうさぎのチョコレートを入れました。春の花と一緒に飾ると、柔らかく華やかな雰囲気に。

これから毎年イースターの時期に飾る、わが家の定番になりそうです。


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