2022/03/01 04:00
もうすぐひな祭りを控え、お雛様を出しました。
今年は、できたばかりのBonboriを一緒に飾っています。
Bonboriというバスケット は、先輩バスケット作家のHandvaekerさんのオリジナルバスケット の一つです。
ワイングラスからヒントを得て、木工作家さんにモールド作りからベース、土台、蓋までお願いして作ってもらったそうです。
もう10年以上前から彼女はこのBonboriを作り続けているのではないでしょうか。
彼女が作ったオリジナルのBonbori作品は、2017年のナンタケット島のバスケット博物館でも飾られました。
毎年、桃の節句の時に彼女のインスタやブログなどに登場するので、いつか作ってみたいと思い、
先日の一時帰国中にHandvakerさんにモールドをお借りして作りました。
私も20年近くナンタケットバスケット を作ってきましたし、
SAKURAバスケット のような変形も、ミニもたくさん作ったから、
Bonboriも作れるだろうと思っていたら、かなり苦戦しました。
こんなにも仕上がりが思い通りにならないバスケットは、
ここ数年、このバスケット以外ないかもしれないぐらい、
超・超・難度の高いバスケット でした。
お気づきかもしれませんが、同じ型を使って編んだのに、この二つ、微妙に形が違います。
一個目はきれいな丸い球体の形が出ていますが、二個目はややとんがり気味のワイングラスのようです。
結構、頑張ったんです、これでも。
対で飾るから、同じ形になるように。
制作に入る前、いつも以上に準備に時間をかけました。
モールドの円周を測って、ベースの大きさ、始点と中間点と終点の縦軸の太さ、
縦軸は何本入るのが綺麗にみえるか、横糸のケーンの細さとのバランス、縦軸の厚みなど。
一個目の縦軸を挿していくのに一週間かかるぐらいの慎重さでした。
二個目に至っては、一個目の反省を踏まえて、最後の枠にはまるところを細工したりと手をかけたのですが、
結局、何もわからず素直に作った一個目の方が形が良いという結果になりました。
シンプルに編むか、黒・茶染めのケーンを使おうか、螺旋状の模様編みをしようかなども悩みました。
土台の黒柿の独特な紋様を生かしてシンプルに編むことが、このバスケット の良さを一番引き出すような気がします。
型が外せるまで編み、枠をはめるまでの部分はフリーハンドで編みます。
けれども、フリーハンドで編むところがうまく形にならず、納得がいかなくて、編み直しを数回、
二個目は枠にはめないままボストンに持ち帰ってきて、また半分から編み直し。
『一個で止めておけばよかった』という心の声がぐるぐると頭の中を何度も駆け巡りました。
でも、不思議と難しい作品に挑戦すればするほど、楽しさが湧いてきました。
ようやく完成させたBonboriを眺めながら、反省はたくさんあり、自分の技量の足りなさにも気づきました。
どんな形のバスケットを作るのにも対応できるようになるには、まだ、たくさんの試みや実績が必要なのだと思います。
裏のサインには、いつもは私のサインと制作年だけですが、作品名を加えました。
魅力ある作品を作り続けているHandvaekerさんに敬意を表して。
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