2020/06/25 00:18

以前、バスケットをオーダーされたお客様のご依頼で、

お預かりした材料で6インチオーバルパースを作りました


材料を用意して完成品を納品するまでのバスケットの制作がメインのため、

持ち込み材料のご注文はふだん、ほとんど承っていません。

今回は、お届けまである程度時間を頂くことに了承いただきお受けしました。


お預かりした材料は、オークと青黒檀のベース、貝の形をしたフルラッチ(留め金)、

フラットオーバルの形のウッドステーブとバスケットの木枠(リム)。


普段のオーダーメイドのバスケットと違って、

持ち込み材料で作るバスケットは、限られたもので作る点に気を遣います。


今回は、お客様自身が途中まで作りかけていたそうで、

ベースには、保護テープが貼ってあり、製作補助のための中央線が引かれていました。

ボトムに使われるベースには、何本入れるか目安も書かれていました。

他の人が作る工程を見られないので興味津々でもあり、

こういう下作業をされて製作に臨まれていたことを思うと、私も気合が入ります。


持ち込み材料で作る場合、お預かりした材料で足りるように作ることが一番気を遣うことかもしれません。

預かった縦軸となるウッドステーブはすでに切り揃えられてあり、

何本かは型に沿って曲げてありました。

限られた本数の中から、なるべくきれいなまっすぐなものを選定し、

型に挿すときは折らないように気をつけながら作ります。


また、お預かりしたウッドステーブは、フラットオーバルの形をしたもので、

編んだときにバスケットのカーブは綺麗に出るのですが、

普段使う籐(ケーン)よりも厚みも太さもあるので、

蓋の縦軸の太さを合わせるとバスケットが野暮ったくなってしまいます。

スッキリしたバスケットに見せるために、ボトムの縦軸の半分の細さになるようにバランスを考えて

蓋の縦軸はボトムのほぼ倍の数を挿しました。


今回のバスケット作りは、お客様が残した軌跡を手繰り寄せて、完成品のバスケット像を想像する、

まるで推理小説を読んでいるような感覚でした。


ハンドルはご自分でつけることになり、完全な商品としての納品とはなりませんでしたが、

渡されたバトンを最後走者のご本人様ににつなげた、そんなアシストした今回の特注品の製作。

先日バスケットをお送りしたら、とても喜んでくださり、ハンドルをつけた姿を見るのが楽しみです。


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